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          ワニ

ワニ ワニ ジャングルの憂鬱 草原の無関心/文:梨木香歩 絵:出久根育/理論社

 寓話といった意味合いの強い作品。
 単純にワニを日本に、ライオンをアメリカの象徴として現代の国際関係に例えることもできるし、人と人との絆が薄くなった現代人、地域のコミュニティが崩壊した日本社会を戯画化したものと捉えることもできる。
 作中、ワニは「世の中には自分とそうでないものがいるだけなんだ」と言う。そして、自分以外のものはすべて食べてもかまわない考えている。
 他の動物を食べるだけではなく、兄弟も全部食べてしまったワニ。そのワニも、最後は自分が憧れていたライオンに食べられてしまう。
 実は、周りを取り巻く「無関心」こそが、自己中心主義、極端なエゴイズムという醜い怪物を育てるのではないだろうか。
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