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魔法の声
龍使いのキアス 魔法の声/コルネーリア・フンケ/WAVE出版

 少女メギーの父モーは、魔法の声を持っていた。本を朗読して物語の登場人物をこの世へ呼び出すことができるのだ。9年前、『闇の心』という本を読んでいて、その声に呼びだされてしまった登場人物と引き替えに、 メギーのママが物語の世界に消えてしまった。
 『闇の心』から呼び出された悪人カプリコーンは、モーのその能力を悪用しようと、モー自身とメギーをつけねらう。メギーは父や本好きの叔母とともに、カプリコーンとその手下たちに立ち向かうことになる。

 物語の登場人物を呼び出すことができるという設定自体はとても魅力的ですが、冗長なうえに陰鬱なストーリーが台無しにしています。何より主人公達に辛い状況が延々と続くために、読むのが辛くなるほどです。結末も何とも言えない後味の悪さが残るお話でした。
 こういう話が書きたいのなら、ファンタジイ児童文学としてではなく、ホラー小説として書き直したうえで出せばよいのではないでしょうか。いやはやがっかりな一冊でした。
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