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悪魔の機械 悪魔の機械 悪魔の機械/K・W・ジーター/早川書房(ハヤカワ文庫FT)

 スチーム・パンクと呼ばれるファンタジイのジャンルがあります。
 ヴィクトリア朝を舞台にした冒険活劇、別名マッド・ヴィクトリアン・ファンタジイともいわれるものですが、実は、この「悪魔の機械」こそが、スチーム・パンクの語源となった作品なんですね。作者のジーターがこの本の書評に対して、「こういう話をスチームパンクと呼んではいかが」という手紙を送ったことにはじまるわけです。

 それはさておき、当のこの作品ですが、冒険活劇といっても、かっこいいヒーローがさっそうと活躍するといったものを想像していると、まったくあてがはずれてしまいます。主人公のジョージ・ダウアー氏は、ほかにはいないであろうほどの、ドジで無能な男。そういう自分にまったく気づいていないことが、さらに主人公を窮地に陥れていきます。しかし読者から見れば、ダウアーが窮地に陥れば陥るほど、面白おかしいわけで、それを考えると、この主人公ちょっと可哀想かも。。。
 ま、そんなことは気にかけず、主人公のドジさ加減と、ドタバタ活劇を楽しめばよいわけですが。。。
 このドジなダウアー氏、最後には地球の危機を救う事になるのですが、その手段がまったくアホらしいというか、ふざけているというか。。。 その伏線はずっと張ってあるのですが、「え?そうきたか」って感じ。ネタバレになるので詳しくかけませんが、読了したら呆れましょう(笑)。
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